( スパイ )

バシュッ、カン、バシュッ、バシュッ、カン、カン、
「 おい おい 此処は法治国家じゃなかったのか 」
「 そんな事言ってる 場合かよー 運悪く当りゃあ 死んじまうぜ 」
亘と秀一は 自分たちの立ち上げた 株式会社エレ・パックに来ていた
稼動していない休日に 工場の電源補給を行う為である
平日は ごく一部の配送社員の他は ほとんど自動化されたラインで構成されている為
株式会社エレ・パックは 実質 動力原の秀一と製造設計の亘だけで運営されていた
したがって 今、工場内に居るのは 秀一と亘の二人の筈であったが
地下の蓄電室から出てくると 何者かが 構内を物色しており
俺達の気配に感づいた 侵入者が 行き成り発砲してきたのである
「 亘、警察に連絡 」
「 秀一、それは まずい 後で この工場と俺達の事を聞かれるぞ 」
「 じゃあ どうするんだ 」
「 とりあえず 内調の三木さんにGPSコールを送る事にするか 」
「 そんな事 出来るのか? 」「 ああ つい先日 決めたばっかりだ 」
亘は ポケットから携帯の様な物を取り出し ボタンを押した
「 亘、それだけか? 」「 ああ これだけだ 」
「 秀一、奴らに電撃でも 食らわせて遣れないか? 」
「 無理だ、鉄筋に飛んでいっちまう 」「 だな~ 」
「 よし、事務所に走るぞ 」「 北出口の方が近くないか? 」
「 先ず 事務所に入って 奴らが追って来たら
       事務所の表出口のオートロックを下ろして 閉じ込めちまうのはどうだ 」
「 う~ん 危ない賭けだが
         奴等から逃げ切る保障もねえから しょうがね~かな 」
「 いくぞ! 」ダッ、バタ、バタ、バタ、バタン、
バタン!
・・バタン、「 亘、今だ! 」ガチャッ、
ドン、ドン、ドン バスッ、バシャッ
「 秀一、ドアから離れろ! 」
「 奴等も 必死だから ドアに撃ち込んでくるぞ 」
秀一は 近くに有った 細い鋼材を見つけると
「 念の為 塞いで置くか? 」バチ、バチ、バチ、
ドア枠に当てられた 鋼材から火花が迸る
「 おまえ、器用だな~ 人間アーク溶接機ってとこ 」
「 そんじゃ 工場側のドアも溶接してくれよな 」「 ああ 其のつもりだ 」
ダッ タッ、タッ、タッ、バタン、バタン、
コーン、バチ、バチ、バチ、
「 ふ~ これで少しは安心だ 」「 三木さん早くこね~かな 」
ウ~ ウ~ カンカンカン ウ~
遠くから 消防車のサイレンが聞こえ まさに消防車が遣って来た
「 亘、おまえ、消防に通報した? 」
ブン、ブン、亘は激しく首を横に振った
やがて 消防車は工場に横付けすると 運転席から一人の消防士が降り立ち
続いて 助手席側から スーツ姿の男が 五名ほど次々と降りてくる
其の中に三木の姿を確認した亘は「 三木さん いつ消防庁に移動したんですかー 」
「 あははは これですか 現場に急ぐには格好の足でしょう 」
「 それより 状況は? 」
「 あっ、危ない玩具を持った 不審者がこの中に 」
三木は 素早く 男達に目配せを送った
男達が スーツの内側に手を掛けると 黒光りする物が ちらりと垣間見える
「 なんか スパイ物の映画見てるみたいですね 」
「 冗談じゃない、私たちも命掛けなんですから 」
「 すいません つい 安心しちゃって 」
ガチャーン!
「 やられたっ! 秀一、天窓だ、天窓を破られた! 」
「 御二人は 消防車に非難して下さい 後は 私達が 」
「 はい、お願いします 」
・・・
ガチャン、
「 三木さん 」・・「 犯人には 逃げられた様です 」
「 でも 御二人が無事であれば それで 良しとしましょう 」
「 相手の素性は未だ判りませんが
     しかし、この工場に目を付けられたと成ると
           今後 御二人が狙われる事が有るやもしれませんね 」
「 脅かさないで下さいよ 」
「 いや 私は事実を客観的に申上げているだけです 」







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2017.02.20 Mon l 自作小説 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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